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「シュルレアリスム」について
「近代絵画史(下)」(高階秀爾著 中公新書)の「第22章 シュルレアリスム」について気になったところをピックアップしていきます。「すでにダダの運動のなかに潜在的にひそんでいた新しい表現への可能性を大胆にひとつの美学にまで高めたのがシュルレアリスムであるが、その美学の形成にあたって、最も重要な役割を果たしたのは、詩人のアンドレ・ブルトン(1896-1966)であった。ブルトンの考えていた美学の根本原理は、『シュルレアリスムと絵画』のなかに述べられている『驚きはつねに美しい、驚くべきものはすべて美しい、驚くべきもの以外に美はない』という言葉に、端的に示されている。その『驚き』の世界を創り出すために彼が用いたのが、オートマティスムであり、偶然性の利用であり、デペイズマンであった。」ここで4人の画家に注目しました。まず、エルンスト。「豊かな創意に恵まれた彼のコラージュによる《百頭女》のシリーズや、木の破片、葉っぱなどの上に紙をおいて鉛筆でこするといういわゆる『フロッタージュ』の手法によって浮かび出て来る新しいイメージや、彼自身『デカルコマニー』とよぶ粘着性の強い絵具を画面に押しつける手法による森林風景などにも、一貫して認めることができる。」次にダリ。「ダリの名前とともに名高いその『偏執狂的批判的方法』というのは、本質的には、たとえばオートマティスムのような『受動的』方法によって無意識の神秘を探ろうとする初期のシュルレアリストたちのやり方とは逆に、もっと積極的に想像力に働きかけることによって、個人の心の最も奥底の部分に眠っているイメージを甦らせようとするものである。」3人目はマグリット。「ダリが《内乱の予感》や《記憶の固執》に典型的に見られるように、ぐんにゃりした柔らかい有機的イメージを好んで用いたのに対し、マグリットは逆に、きり立った岩塊とか、ガラスなど、無機質な硬質のイメージをもっぱら登場せしめており、それによって、ダリの作品には見られない乾いた爽やかさを画面にもたらすのに成功している。」最後はミロ。「彼は早くから、故郷のカタロニアの風景、大地、農場、さらには太陽、月、星などの自然の存在を好んでテーマに取り上げ、奔放な造形力を駆使しながら、自己の見出した自然の世界を、画面に翻訳していったのである。事実、彼の作品では、一見きわめて抽象的に見えるようなものにおいても、しばしば日月星辰や、あるいは女性、動物などを象徴する形が登場して来るが、ほとんど記号化されたそれらの形は、ミロにとって、自然とのつながりを保証してくれるものである。」今回はここまでにします。