2025.12.01
今日から12月です。例年NOTE(ブログ)に書いているのですが、12月になると私は妙に焦る習慣がついてしまっていて、落ち着かなくなる癖があります。それは教職が長かったせいで、12月は生徒の成績処理や進路相談等を思い出してしまうからです。師走とはよく言ったもので、教職の頃は多忙なうちに大晦日を迎えていました。現在は彫刻家一本なので、とりわけ多忙なことはなく、創作活動のことを考えていれば良いと自分に言い聞かせています。今月は陶彫制作のゴールがある程度見えてきたので、壁に掛けるレリーフ作品に取りかかろうと考えています。今年の7月個展に出品した「痕跡A・B」のコンセプトを発展させ、もう少しサイズをコンパクトにして、4点の連作にしようと思っています。4点のパネルを作るための板材は既に用意しました。素材としては杉板に彫り込みを入れて炭化させていくのですが、その構成を「痕跡A・B」より密にしていこうとしています。何層にも重なった板材が見る角度によって構成を変えていくレリーフを仕組んで、また壁に掛けることによって照明の影が落ちる効果も利用して、重層な空間を演出したいと考えています。そもそも私たちが見えている周囲の立体は、視点となる一方向からしか見えていないわけで、それを立体として頭で認識しているに過ぎません。立体はすべてが見通せているわけではなく、見えていない立体の反対側は頭で予想認識をしているだけだと私は考えています。そうした認識を裏切るようなレリーフ作品を作っていくのが、今回の私の新作の狙いとするところです。実際の立体作品を不完全なカタチで提示するのが、陶彫と板材による新作とすれば、壁に掛けるレリーフ作品は、立体の見え方が一方向に過ぎない不完全なものだという提示です。そうした空間提示とは別に、素材の変容も床置きや壁掛けの両作品に盛り込んでいます。それは別の機会に述べていきたいと思っています。今月は壁掛け作品を中心に据えて、制作を推し進めていくつもりです。