Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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ライシテという概念について
今日の朝日新聞の天声人語を読むまで、私はライシテという概念を知りませんでした。「宇都宮美術館で開催中の『ライシテからみるフランス美術』は、国家と宗教、政治と信仰の複雑な関係性を読み解いた。『ライシテ』はフランスの歴史と結びついた独特の政教分離のあり方で、非常に厳格に分ける。その概念は、18世紀のフランス革命に由来する。この時、王朝が倒れ、王制を支えていたカトリック教会も解体された。王室や教会から美術品を没収して、市民に公開したのがルーブル美術館の始まりだ。日本ではなじみの薄い概念だが、展覧会では美術という補助線が理解を助けてくれた。ミレー、ルオー、ユトリロー。有名画家たちの作品が、政治や信仰、愛国主義といった背景を知ることで異なる光を放つ。精神的な覇権を巡って宗教と世俗が激しく争い、議論してきたのが、現在に至るライシテの歴史なのだ。世俗化した社会で、作品を選び展示する美術館の役割は大きい。企画した学芸員の藤原啓さんは『宗教的に中立な場所だからこそ、私たちは美術史を問い直し、批評的に考えていかなければ』と話す。」改めてライシテとは何かを調べてみました。「フランスにおける教会と国家の分離の原則(政教分離原則)、すなわち、(国家の)宗教的中立性・無宗教性および(個人の)信教の自由の保障を表わす。 説明的に「非宗教性」という訳語が当てられることがある。」というのがAIによる解答です。芸術作品の中には宗教性であったり、社会性であったり、またそうした要素を持たない純粋な造形も見受けられます。フランス美術の歩みの中でライシテの概念から作品を読み解くのは、私にとっては新しい視点であり、こうした概念が存在することも美術を理解する上で、大切なことだろうと思います。宗教性で言えば、現在私は「聖母像の到来」(若桑みどり著 青土社)を読んでいて、16・17世紀のカトリックとプロテスタントの鬩ぎ合いの中で、カトリックの聖母像が日本に齎された経緯を学んでいるところですが、宗教と政治、ないしは美術の関係についてひとつの考え方を本書からいただいていると感じています。私の中で今まで考えてこなかった分野で、新聞にも「日本ではなじみの薄い概念」とありましたが、全くその通りだなと思っています。