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「アーレントとハイデガー」愛について
「アーレントとハイデガー」(エルジビェータ・エティンガー著 大島かおり訳 みすず書房)を読み始めて中盤を過ぎました。大著「存在と時間」で知られる哲学者マルティン・ハイデガーは、マールブルグ大学の気鋭の哲学教授になったばかりの35歳の頃に、当大学に入学してきた18歳のハンナ・アーレントと恋愛関係になり、情愛に溺れながら「存在と時間」を書き上げたようです。きっと女学生に献身的に慕われたことがパワーとなったのだろうと推測します。時が流れて、恋愛感情が消えても愛は継続し、アーレントは米国に去ってユダヤ文化再建委員会の仕事で思想家として渡独し、ハイデガーに再び会っています。ハイデガーは生粋のドイツ人、アーレントはユダヤ人、しかもハイデガーはフライブルク大学総長に任命され、ナチ党加入に加え、党のイデオロギーに共鳴する学長演説を行った事実があります。その後に猛省はあっても非難を免れることが難しい局面に立たされていたハイデガーを、アーレントは救いの手を差し伸べ、またハイデガーの罪を贖うような行動もしているようです。愛とは斯くも民族を超え、イデオロギーを超えても存在するものなのか、本書はこのような2人の関係を廻る賛否両論の反響があったと聞き及んでいます。まず、通勤の友として後半部分を読んでいきたいと思います。