Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「布教書挿絵・扉絵」について
「聖母像の到来」(若桑みどり著 青土社)の「第7章 キリスト教銅版画の成立」は5つの単元から成っていて、今回は「1キリスト教布教書(きりしたん版)の成立」と「2布教書挿絵・扉絵版画研究」の2単元を取り上げます。「ヴァリニャーノの現地人育成主義のもっとも基礎的な仕事は、知識の伝達の基本的なメディアとしての西洋の書物の翻訳出版、外国人宣教師のための日本の言語の辞書の編纂、日本文学の翻訳などによる文化の相互交換のシステムを作り上げることであった。このための活版印刷機、活字、印刷工の招来がヴァリニャーノの行なった大きな事業である。」次に布教書の内容に触れます。「ルイス・デ・グラナダの著作は神学、哲学を包含し、宇宙の構造とキリスト教の基本的な教義について漏れなく具体例をあげて説明している点で適切な教科書に選ばれたものと思われる。ここにはキリスト教の教義に加えて信仰の究極のあかしとしての殉教についての教えが述べられていることが大きな特色である。すでに、最初の弾圧が1587年秀吉による伴天連追放令によって行われており、ヴァリニャーノも、1592年の『日本第一回管区総会議事録』の第13章において、迫害、戦乱、(日本)国家の変動期においていかに修道院を組織するかについて述べている。天草1591年の『サントスの御作業』にもマルチリヨ(殉教)の理が説かれていた。実際に1597年長崎西坂において26聖人殉教が行われたことはあまりにも名高い。」次に「フィデスの導師」扉絵の「トマスの不信」に関する文章です。「復活したイエスは弟子たちの前に姿を現したが、そのときトマスだけは不在だった。彼はイエスが復活したということを他の弟子たちから聞いたときに、それを信じなかった。イエスはトマスとそのほかの弟子のいるところにふたたび現れて、自分の傷に手でふれ、手をさしいれよとトマスに言う。トマスはそのようにして手を傷にさしいれ、『わが主よ、わが神よ』と言った。イエスはトマスに向かって、『あなたはわたしを見て信じたのだが、見ないで信じる者はさいわいである』と言った。」今回はここまでにします。