2006.07.17
葉山の近代美術館でやっているジャコメッテイの展覧会に彫刻はもとより、むしろ油絵が見たくて出かけました。数年前、ジャコメッテイに関する矢内原伊作の本を数冊読んで、ジャコメッテイの制作に対する姿勢に大いに感銘を受けました。そこではよく油絵をやっている様子が描かれていました。モデルを現実として捉えるにはどうするか。本の中で彼は描いては消し、作ってはやり直す繰り返しを続けていました。こうした未完のままで、いったいどんな状態の作品になっているのか、興味は尽きませんでした。実際に並べられた作品を見ると、どれもが何度も試作された痕が見られ、迫力を感じさせました。実際の作品よりも、いつまでも記憶に残る作品であるのは、こうした肉迫したものがあるからに違いありません。