2006.11.09
美術的興味からウィーンに暮らし始めたのですが、ここが世界的に有名な音楽の都であることはよく知っていました。美術留学生は一握り、ところが音楽留学生は音大に行くと、ここは日本じゃないかと思えるほどたくさんいました。観光ガイドをアルバイトでやっていたことがあるので、ブルグガルテンのモーツアルト像やらシュタットパルクのシュトラウス像、中央墓地に眠る大音楽家たちのところへよく観光客を連れて行きました。大晦日近くなると日本の旅行社からの依頼でムジークフェアラインの座席取得にホール横に何時間も並んだものです。クラシック音楽とはこんなにいいものかと日本から来た観光客を横目で見ながら、自分は立ち見でコンサート会場に行きました。音の響きがいかに美しいかを知るのにはたいして時間はかかりませんでした。日本から来たばかりの頃はよくわからなかったのですが、何度か聴くうち、音に心が吸い込まれていく錯覚に陥りました。これが音楽なのかと改めて知った次第です。