Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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新聞記事より「音楽は声から出発する」
21日付の朝日新聞「折々のことば」より、記事内容を取り上げます。「音楽はまず声から出発するんだ。全部の楽器は全部人間の声の代理なんだ。小澤征爾」この言葉に著者の鷲田精一氏がコメントを寄せています。「メロディを奏でるヴァイオリンやフルートのみならず、リズムを刻むティンパニーにだって『人間の声がやりたい願い』がこもると、指揮者は言う。そしてその演奏や伝わり方も、人それぞれに異なる。音楽は『公約数的』なものではなく、どこまでも個人的なもの。大切なのは巧拙ではなく、人と音楽とが『どこでつながるか』だと。作曲家・武満徹との共著『音楽』から。」AIがどんな正確な音を再現したとしても、人間の声のような音色は作れないと私は思っています。そこに生き生きとした感情が生まれ、個人の心に響くのです。演奏する人も人間、聴く人も人間だからこそ通じ合うものがあるのだろうと思います。話は逸れますが、作曲家・武満徹の著書を私は数多く持っています。武満徹は西洋音階とは異なる音そのものを作曲の要素にしていて、音と音の間に沈黙があり、彼はそこに意味を見出していました。その頃、私は彫刻を学び始めていて、人体塑造の正確な量感を捉えようとしていました。ちょうど五線譜に示された西洋音楽のように彫刻もまた構築性が重要なのでした。やがて、私は音と音の間に沈黙があるという表現方法を、モノとモノの間に空間があると置き換えて、現在の彫刻表現に立ち向かっていくことにしたのでした。モノは人間の声かもしれず、空間のあちらこちらから聞こえてくる声に耳を傾ければ、空間の広がりを捉えることが出来るのではないかと認識しています。声が空間にこだまする作品が出来れば、私は満足を覚えるのだろうと思っています。