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ジャン・ジュネの著作
フランスの作家・劇作家で政治的活動にも身を投じたジャン・ジュネは、自分にとって馴染みの薄い作家でした。矢内原伊作著による「ジャコメテッィ」(みすず書房)に登場してくるジャン・ジュネに少なからず関心を寄せる程度でしたが、今回ジャン・ジュネの著作を読んでみることにしました。ジャン・ジュネは売春婦だった母のもとで1910年に生まれています。生後7ヶ月で捨てられたジャン・ジュネの生育暦を見ると、凄まじいものがあり、放浪や犯罪を繰り返し、また投獄もされています。文才をジャン・コクトーに認められ、コクトーやサルトルらの請願によって大統領の恩赦を受けて、ようやく自由の身になれたようです。その後、革命に参加したり、反戦運動等の政治活動を続け、1986年に世を去りました。まさに波乱万丈の人生で、自分のような恵まれた平均的な家庭に育った者には、到底理解できない哲学があろうかと思います。どこまで共感できるかわかりませんが、特異な環境で創作活動を展開した芸術家の片鱗に触れてみたいと考えました。