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東京丸の内の「シャルダン展」
18世紀のフランスと言えば、ロココ様式が盛んで、西欧が文化的にも爛熟した時代だったと思います。この時代を生きた画家シャルダンは日本での知名度は低く、自分も初めて聞く名前でした。地味な画風ながら静寂な雰囲気を漂わせた絵画は、誠実で実直な画家の人柄を反映しているようでした。図録にある経歴を見ると、生前は風俗画家として名声を得ていたことがわかりました。今回、東京丸の内にある三菱一号館美術館で開催されている「シャルダン展 静寂の巨匠」には、代表作の風俗画や静物画が展示されていて、シャルダンの世界を十分堪能することができました。私自身の好みで言えば、風俗画より静物画が好きで、巧妙な構図や光の加減が静物画に結集しているように思えます。全体的な表現に甘美なロココの時代とは思えない慎ましい表現があり、その静かな抒情を湛えた世界は、簡潔で厳粛な雰囲気さえ感じさせます。シャルダンは次世代の画家に与えた影響もあり、今後は再評価が進むことと思われます。