Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

カンボジア旅行雑感
今日はカンボジアから東京に帰る日です。シェリムアップからベトナムのホーチミン空港を経て成田へ帰ります。アンコール遺跡群を訪ねて、自分の創作イメージに与える影響は計り知れないものがありましたが、カンボジアの社会はまだまだ発展途上で、自分が幼い頃の日本を見ているような錯覚を持ちました。チャーターしたマイクロバスの車窓から見える人々の暮らしに貧しさと共に生きる逞しさを感じましたが、その一方で痩せこけた牛を使って稲を植える家族、露天で土産を売る子供たち、市場で恵みを欲しがる母と幼子などが眼に焼きつきました。日本や他国の援助で作られた施設や産業への指導、また現在の建物ラッシュにこれからのカンボジアの活路を見る思いもしました。遺跡に関して言えば、ポルポト政権時の影響で修復が中断し、再開するにしては当時の資料がなくなっていて遅々として進まない現状も見ました。遺跡の周辺に置かれた番号付きの原石の量は夥しく、これをパズルのように組み立てるには大変な労力を要すること、日本製の重機が活躍していることも印象に残りました。伝統工芸学校は観光用になっていましたが、木彫や石彫の工房では職人たちが鑿や鏨を使ってコツコツと作業に勤しんでいました。土産用の仏像や浮き彫りを彫る姿が、自分の陶彫制作の姿とも重なって良い刺激をもらいました。それにしても今回は雨季とは言え、遺跡巡り全体を通して天候に恵まれ、猛暑の中を歩き回りました。アンコール遺跡群の観光は、場所によっては足場の悪い所や危険な所も多く、足腰の丈夫なうちに限ると思いました。このNOTE(ブログ)を読まれている方で、アンコール遺跡群に興味があれば、元気なうちに行くことをお勧めします。