Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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肌寒い夜の工房へ
仕事から帰って自宅で休みたい気持ちを抑えて、夜の工房に出かけていくのはちょっと辛いものがありますが、工房に入ってしまうと不思議な空気感に取り囲まれて、制作に没頭できることがあります。2時間程度の制作ですが、結構満足感が得られます。毎晩工房に出かけるのは体力的に無理ですが、多少でも余裕のある晩は制作に励んでいます。昨晩と今晩は工房に行きました。蛍光灯の下で陶土に触れていると気持ちが引き締まってきます。秋の肌寒さが孤独を演出して、ここで作業をしなければ情緒が不安定になるところですが、ビニールで覆ってある陶土を取り出し、制作に向かうと気分は一新して、憂いを含んだ気分は吹き飛んでしまいます。彫刻は絵画と違い、甘美なノスタルジックな世界を描くより、寧ろ寒々とした空間の中に凛と立つ作品の存在が清々しく感じられます。しかも全身の筋肉を使う作業になると、これはスポーツのようでいて、精神性を高めていく過程があったりして、なかなか手応えのある表現媒体だなぁと感じます。時々夜の工房に出かけて、張り詰めた空間で作業をするのもいいなぁと思っています。