Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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台湾から帰って…
昨晩のうちに台湾の桃園国際空港を飛び立ち、機内で夜を過ごして、今朝漸く羽田空港に到着しました。自宅近くまで行くバスがまだ運行していなかったので、羽田空港のロビーで夜が明けるまで過ごすことになりました。行きも帰りも空港にいる時間が長く、安価な航空券を予約すればこうなるという行程を実感しました。20代の頃は普通だった行程が、60代の今となっては身体的に厳しいなぁと思いました。あの頃のようなエーゲ海沿岸や砂漠地帯の遺跡を巡る旅や、当時の東欧圏諸国をリュックサックを担いで周る旅は、今となっては若かりし頃の無謀な一幕としか言いようがありません。テロが勃発する現代にあっては、時代が違うと言えども、よくぞ無事に生きて帰ってこられたものだと思っています。昔のことは人生の勲章とは思いませんが、脳裏に刻まれた現地の人々の生活や街の空間認識が、自分は彫刻として結晶化させたのかもしれません。最近よく出かけている東南アジアの世界遺産も、彫刻制作の要素となっていると言っても差し支えありません。昔のように危険箇所には近づかない知恵が私にもついて、旅そのものが目的ではなく、旅で体験した何かが創作活動に有効に働くことが目的になっています。今回の台湾旅行も例年の遺跡ではなかったにせよ、國立故宮博物院では大いに刺激を受けました。形態感で言えば中国の歴代銅器が私を捉えて離さないのです。今月の鑑賞では第一級の作品群に触れたことになります。これを自分の中で咀嚼し、自己表現に取り込むのには相当な時間を要するでしょう。もう一度ここに来る予感がすると家内が言っていますが、うーん、それはどうかなぁ、世界にはまだまだ見たい遺跡や美術館や博物館が山ほどあるので、関心が次々に移ってしまいそうな気がしています。そんなことを考えながら夏季休暇の最終日を過ごしました。明日から仕事が始まります。二足の草鞋生活を軌道に乗せて、来年に向けて頑張っていこうと思っています。