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週末 久しぶりに美大の芸祭へ②
昨日に続き、相原工房のスタッフ仲間に加わった美大1年生の誘いで、今日も美大の芸祭にお邪魔しました。今日は東京の小平市にある武蔵野美術大学に行きました。私の他に多摩美術大学の助手2人と職場の人を連れて出かけました。武蔵野美術大学は私の母校で、ここも昨日同様久しぶりに美大に訪れたため、感慨一入になりました。40年前、ここで私は師匠の池田宗弘先生と出会い、共通彫塑にいらした保田春彦先生や若林奮先生の仕事を垣間見ながら、それまでは考えも及ばなかった遥かなる自分の人生の指針を思い浮かべていたと言っても過言ではありません。私はすっかり彫刻の魔物に憑かれてしまったわけで、当時の自分が悩み苦しんだ場所が今も残っているのです。それを再確認するために久しぶりに母校の芸祭にやってきたのでした。台風が近づいていたため今日は生憎の雨になりましたが、4人で相原工房から武蔵野美大へ向けて9時半ごろに出発しました。車で同大到着まで2時間はかかりました。現在、武蔵野美大美術館では「戸谷成雄 現れる彫刻」展を開催していて、木材をチェンソーで刻みつけた「森」シリーズの彫刻家によるスケールの大きい作品に圧倒されました。実材がそこに存在する意味を問う根源的な世界観に触れました。詳しい感想は後日改めたいと思います。訪ねたスタッフは芸祭の役員をやっていて、全て案内してもらうまではいきませんでしたが、専攻ごとの展示作品や小さな販売品はかなり充実していて楽しめました。彫刻棟の大きな作業場をじっくり見て、ここで彫刻を学んだ学生たちの卒業後を思わないではいられませんでした。いったいどのくらいの学生が彫刻を続けていかれるのでしょうか。整った設備、自由になる時間、凌ぎを削る仲間たち、理想的な創作環境のもとで4年間を過ごし、そのまま彫刻をきっぱり諦めることが出来るのでしょうか。私は創作に夢中になればなるほど精神状態が尋常でなくなり、そこから抜けられなくなったのでした。あれから40年が経ち、今も私は彫刻棟の片隅の出発点から少しばかり歩いたところにいるのです。40年もの間、私は何をしてきたのでしょうか。目の前にいる学生たちと、私はどのくらい距離があるのでしょうか。私なりに進化したところはどこにあるのでしょうか。それを感じるために今日はここにやってきたのです。もう一度私自身を捉え直し、明日からの再出発にしたいと考えました。