Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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5月RECORDは「隙」
「隙」は隙間という単純な意味から、不和であったり、油断することであったり、マイナスイメージを連想するコトバです。RECORDは視覚的な構成要素に置き換えるので、心理的な表現を追求することに、たとえば文学や音楽に比べると限界があるように感じてしまいます。今回のRECORDとしては、単純な隙間という意味合いで捉えていきたいと思っています。今年は画面に幾何学的なパターンを持ち込んでいるので、なおさら心情を描くのは厳しいかもしれません。今までも表現が装飾的すぎる嫌いはありました。テーマが深層的なほど、内容に切り込んでいくのは難しいと思っています。言い訳にもなりますが、一日1点を完成させるというノルマは、じっくり考えることに不向きです。瞬時に頭を過るイメージを捕まえて視覚化することがRECORDの醍醐味であろうと思っています。あたかもスポーツのように継続するトレーニングで、造形作品を生み出していくのがRECORDなのです。ただし、自分が許せる一定水準を保つために、1点ずつに丁寧な描き込みをやっています。そこに手間がかかり、多忙な時に仕上げを後回しにしてしまう傾向が自分にはあります。もっと気楽に描ければいいのでしょうが、私は生真面目な性格で、適当な匙加減が出来ません。遊びがないため、洒落た遊戯的な世界観に憧れますが、それをRECORDに持ち込んでも、自分には納得できる作品が作れないのです。イラスト風のRECORDを試みたことが過去にありましたが、自分の作品ではないように感じています。今月は自分らしいRECORDを作っていきます。