Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

「つくる」という意味
創作行為は人の持つあらゆる能力を最大限に活用するものだという考えが私にはあります。「つくる」というコトバを漢字にすると「作る」と「造る」と「創る」の3つの漢字が当てはまりますが、いずれも多少意味が異なります。一般的には「作る」という漢字を用います。私も通常、彫刻を作ると書いています。たまに「造る」を用いますが、これは構築物としての意味合いが強くなります。彫刻は立体なので「造る」という漢字を使っても一向に差し支えないと思っています。一般的には建築や庭園や造船の場合に用いているようです。それでは「創る」とはどういう場合を指すのでしょうか。これは新しいモノを作り出す創作行為に他なりません。「創る」はあまりに仰々しい意味になるので、照れくささもあって「創る」という漢字は使い辛いなぁと感じますが、私の作る彫刻は明らかに創るものだと思っています。私の場合、創る行為は最初のイメージを固める時に一番フィットする漢字かなぁと思っています。創作行為の最大の要素は原初的なイメージにあると私が感じているからかもしれません。その後は実材との関わりになりますので、作ると言う漢字がフィットします。私の彫刻は集合彫刻という形態をとっていて、最後にユニットを連結して全体を構成していきます。その行為は作るではなく、創る行為かもしれません。創るは最初と最後だけ、途中の作業は全て作る行為だろうと私は考えています。そういう意味であれば、創る行為は大変な精神的負担と面白さを兼ねていると言えます。まさに創作行為の本領がそこにあるからです。日本語は「つくる」という意味だけでもバリエーションに富んでいて、日本語を学ぶ外国人からすれば難解と受け取られる言語だろうと思います。私が外国人だったなら日本語を学ぶのは御免蒙りたいなぁと思います。