Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

4月RECORDは「対峙の風景」
「対峙」とは相対して聳え立つことで、両雄が睨んでいる状態をイメージして、今月のタイトルにしました。最近のRECORDでは「対」というタイトルで、相対するモノを具現化して表現したことがありましたが、似たような表現になることは否めません。同じ要素でも作品は異なると私は考えていて、コトバのニュアンスの微妙な違いが造形に表れるのではないかと思っているのです。造形的なイメージを持ち易いコトバを選ぶと、過去のテーマに似てしまうのです。「対」や「対峙」は私が取っつき易いコトバのひとつで、私にしてみれば造形のバリエーションも豊富なのです。感情的なコトバは一見良さそうで、実は造形化する時に大変苦労することがあります。大きな意味を持つコトバも避けてしまいます。何でもありのテーマでは、そもそもタイトルを決める必要があったのか疑問を抱いてしまうからです。月々のタイトルは結構時間をかけて考えています。1ヶ月分を保つために、どのくらいイメージを展開できるのか、途中で苦しくなったりしないか、さまざまな場面を想定しながらコトバを選んでいます。現在のRECORDは下書きばかりが先行していますが、何かが対峙している風景を模索しながら、鉛筆と消しゴムを使って描いたり消したりしています。この線が気に入らないとか、ここをもう少し省いてみようとか、描き進めていくと対峙する風景とはお世辞にも言えない画面になってしまったり、1時間ほど奮闘しているうちに睡魔がやってくるのです。脇の棚に絵の具が仕舞ってあるのですが、そこを横目で見ながら、今日はここまでにしようと裏面に日付を記して、卓上にRECORD用紙を積んでしまいます。最近は山積みが次第に増えています。RECORDと自分、まさに対峙している風景だなぁと思っています。