Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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お礼状の宛名印刷
先月、東京銀座のギャラリーせいほうで開催した個展に来ていただいた方々にお礼状を作りました。個展開催中にカメラマン2人が来廊して、会場の様子を撮影してくれました。個展が終わってちょうど1ヶ月くらいしてお礼状を出すようにしています。忘れた頃にもう一度私の作品を思い出していただきたい意図と、わざわざ東京の銀座まで足を運んでいただいたことに感謝を込めてお礼状を出していますが、これは芳名帳にあった住所が分かる人だけに限られてしまっていて、住所のない人には申し訳ないと思っています。私自身もお礼状に宛名印刷をして、漸く今年の個展が終了した感覚を持つことができるのです。創作活動はずっと続いていくもので、個展が終わったからといって、私は毎年の個展に納得できるものでもなく、そこを補うように新作に励んでいるのです。何を作るのかは、私にはもう分かりきっていて、課題解決のためにどう作っていくのかが問題なのです。過去の作品にこれはいいと思えるものがひとつもないというのが本音です。来年こそは納得のいく作品が作れるように願って、日々工房に通っていて、陶土に向き合っているのですが、未来への願望と現在の迷いや焦燥が綱引きをしているようで、気分が良い日と気分が落ち込む日が交互にやってくるような按配です。カメラマンの力量によるお礼状は、そんな私の内面的な事情とは関係なく、スッキリとまとまっていて、鑑賞者の眼に耐えるものになっています。私にとって救いなのは、そうした人の手が入ることによって、作品が違って見える効果が期待できることかなぁと思っています。