Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 新作土台を作り始める②
昨日に続いて今日も大規模作品の土台を作っていました。木材加工による土台は、本作品では大地のイメージとして捉え、新作では不定形な面積で表現する予定です。周囲の先端は崩れかけています。面には三角形の穴が密に開いていて、先端にいくほど三角形の形が崩れて無くなっていきます。そうした大地の面を新作では三層にしようと考えていて、厚板3枚をやや浮かして設置します。陶彫部品が収まっている4つの直方体の外側に面を広げるため、その接合をどうするか、ここを工夫をするつもりです。大規模作品の見せ場となるところで、三層が中空で重なり、拡がっていく風景を作り出そうとしています。ここにきて全体イメージが次第に具体的な形態をもって立ち現れてきました。私は最初のイメージでは全体は見えているものの、まだ曖昧なところがあって、当初は漠然としていますが、幾度となくイメージの更新を行い、徐々に具現化されたものになっていくのです。彫刻作品は即物としての実材があるし、重量もあって、その空間配置も考えながら、夢幻のようなイメージに近づけていきます。それが彫刻の醍醐味であり、空間を活かすも殺すも作家次第で、つまり実材とイメージの折り合いのつけ方にあると思っています。あぁ、こんな風景があったんだなぁ、この風景はどこか夢で見たような気がする、などと鑑賞者に呟いてもらうと、私は忽ち嬉しくなって、次なるイメージへの橋渡しになっていくのです。最初のイメージで「庭園」が浮かんだのも、彫刻を取り巻く周囲が崩れた状況が浮かんだのも、全ては摩訶不思議で懐かしくもある架空の風景を作り出すことにあると言っても過言ではありません。今日は2人の高校生が来て、それぞれの課題をやっていました。彼女たちも美術の専門家として、これから私の仲間入りをしていくのです。彼女たちを見ていると美大の受験は明確なゴールがあるのでいいなぁと思っていますが、当人たちはそんな余裕がなくて大変そうです。夕方、彼女たちを家の近くまで送り届けました。