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note

三連休 後輩の木彫撮影日
昨年の10月10日付のNOTE(ブログ)に同じタイトルの文章があります。後輩の彫刻家である長谷川聡さんから自作の2回目の写真撮影を相原工房でさせて欲しいというお願いがあり、今日はその撮影日でした。彼にとっては制作上の転機となるかもしれない仕事場の移転、それに加えて旧作の写真撮影とあって、私は申し出を快く引き受けました。昔から懇意にしているカメラマンにもお願いして、今日の撮影となったのですが、天気も気候も良くなって、格好な撮影日和となりました。彼の作品は幾度となくこのNOTE(ブログ)に書いていますが、技法は木彫です。当初は合板を使って造形していましたが、一木造りも始めました。木彫は奥が深く、樹木の豊富な日本では仏像に優れた木彫作品が見られます。私は運慶派の木彫が好きで、それは仏像というより西洋彫刻に近い解剖学的な人体解釈があります。長谷川さんの世界は、説明的な要素を削り取った抽象性を創作の中心に据えていますが、たとえば植物のもつ成長的な捻りや水のもつ水滴などを具現化しているため、決して冷たい抽象ではなく、自然の現象を捉えたものだろうと思います。そうした作品だからこそ野外工房での撮影が効果を生むのです。私たちの周囲にある自然をよく観察すれば、さまざまな表情が読み取れます。自然の中に存在する植物や水などの素材を一瞬切り取って造形化することは、鑑賞者に憩いを与え、また作品を取り囲む空気を感じさせる要素があると私は考えます。撮影の最後に、最近彼が挑戦したアルミニウムによる彫刻作品もありました。まだ彼は若い彫刻家であるだけに、素材への挑戦は積極的にやって欲しいと思いました。