Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 創作に対する気持ち
創作活動一本になって、厳密な意味で毎月の制作目標を立てるのが億劫になっています。何故制作目標が必要だったのか、教職に就いていた頃は毎月目標を立てて、その目標が達成できたか否かがその後の制作工程に大きな影響を与えていたからでした。ほとんど毎日工房に通って制作に没頭している現在では、週末を数える必要がないのです。それでも丸一日制作していたとしても、最近では気持ちの面で限界があるのを実感しています。それは教職との二足の草鞋生活を送っていた時期とは、意識するとしないとに関わらず、気持ちに変化が生じていると思っています。創作活動一本になって、単純に気持ちが緩んだとも言い切れず、どうも嘗てのような集中力が今ひとつ取り戻せないと感じています。図録の撮影日やら個展の搬入日が迫っていれば、それなりに集中して制作を進めていきますが、通常の場合はそうでもなく、言うなればマイペースな状態で過ごしています。私がひとつ考えていることがあるとすれば、魂の籠った質の良い作品を生み出すには、不安定要素がどこかにあると、その欠如した精神面を補おうとして、作品に緊張感が漲るのではないかということです。安定からは月並みな作品しか生まれないとも言えます。創作とは実に厄介なものだなぁと思います。ただし、自分に満足してしまうとそれこそ創作活動そのものにも嫌気がさしてしまうことにもなりかねません。私の場合はそこまではいかず、創作の何たるかを掴みたい気持ちが今も優先しています。そういう意味では私は不器用な人間に生まれて良かったなぁと思っています。全てが解って達観してしまったら、私も何も出来なくなるだろうと思っているからです。非日常的な空間に接して、人は何故心が揺さぶられるのか、心が豊かになるのはどうしてなのだろう、そんな理屈では分からない世界を創造することが楽しいと感じている以上、私は今月も毎日工房に通い続けると思います。