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「アンドレ・ブルトン伝」を読み始める
今日から「アンドレ・ブルトン伝」(アンリ・べアール著 塚原史・谷正親訳 思潮社)を読み始めました。ブルトンと言えば先日まで「シュルレアリスム宣言・溶ける魚」(アンドレ・ブルトン著 巖谷國士訳 岩波書店)を読んでいて、その難解さに辟易してしまいましたが、これは詩文を綴ったものなので、ある程度は仕方がないかなぁと思っていました。嘗て私は「シュルレアリスムと絵画」(瀧口修造・ 巖谷國士監修 人文書院)と「魔術的芸術」(巖谷國士監修 河出書房新社)を読んでいて、ブルトンの著作に触れたこともありました。ただ、代表作品の「ナジャ」に関しては未だに読んでいないので、機会があれば読んでみたいと思っています。ブルトンは、シュルレアリスムを定義づけ、世界にその運動を浸透させた人物として、私はずっと以前から注目をしてきました。「溶ける魚」を読んでいる時に、なぜ今さらシュルレアリスムなのか、私自身は自問自答をしていたのですが、現代アートが多様化している今だからこそ、その旧態依然としたアートに変革を齎せたシュルレアリスムに再度着目をしたいと思ったというのが結論です。そのブルトンは一体どんな人物だったのか、どんな幼少期を送り、どんな知識を身につけ、どんな思想に触れて、シュルレアリスムの旗手になったのか、その背景が知りたいと思ったのでした。本書は分厚い書籍で、持ち運びには向きませんが、自宅で読書時間を確保して、これに臨みたいと考えています。ただ、この書籍をいつ購入したものか、さっぱり記憶にありません。これは私の癖みたいなもので、大手書店に出かけた折に、大量に書籍を購入してリュックサックに詰め込んで持ち帰ってくるのです。そのまま自宅の書棚に仕舞い込んでいて、忘れていることが暫しあります。本書はきっとそんな経緯があって、書棚の埃に塗れていたとしか思えません。因みに本書は初版です。