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週末 叔父のテノールリサイタル
4月に入り、最初の週末を迎えました。4月の創作活動に対する目標は、別稿を起こして改めて書いてみようと思います。今日は叔父である下野昇のテノールリサイタルについて感想を述べます。親戚を褒める手前味噌な感覚はありますが、それでも尊敬に値する表現活動について述べたい私の気持ちをお察しください。叔父は現在87歳の高齢者ですが、若い頃より日本のオペラ界を牽引してきました。得意とする歌唱はイタリアのカンツォーネで、高らかに声を張り上げる華のある歌唱です。私が注目したいのは87歳という年齢で、第一部にカンツォーネ10曲、第二部にウィーンの歌10曲、計20曲を歌い上げたことです。勿論年齢的な身体の衰えは所々にありましたが、それを差し引いてもなお余りあるスケールの大きい歌唱は驚きに満ちたものでした。叔父は生まれつきの声帯の強さもありますが、自己鍛錬を繰り返し、技量を身につけた日々の研鑽は、この年齢にしてこの表現力の披露に、申し分なく結集していたと言えます。横浜市緑区にある長津田みどりアートパークには320席のホールがありますが、ホールは観客で満席でした。私たち親戚は、リサイタル後に叔父の自宅に集まって反省会をやりましたが、私としては叔父にはいつまでも元気でいてほしいと願うばかりです。親戚に存在感のある自己表現者がいることに、何度となく私は精神面で支えられてきました。叔父も私の彫刻を認めてくれています。叔父にしても私にしても芸術という特殊な世界で生きていると考えていて、そこではお互い刺激を受けながら、継続していく姿勢を保っていきたいと思っているのです。