Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

窯のヒーター線を交換した日
私の工房に設置している窯は、言うなれば電化製品です。先日の焼成で支障があることが判り、今日は業者に来てもらって修理を行いました。窯はいつ設置したものか、NOTE(ブログ)のアーカイブを見てみると、2009年8月3日付の記事にこんな文章がありました。「今日はその倉庫に窯がやってきて設置をいたしました。窯は前開き、容量12kWの電気窯で、炉内は600×600×750(mm)です。ちょっと驚いたのが制御盤で、前に使っていたものより小さくて軽量になり、扱いも簡単になっていました。」窯の状況を追加すると、窯は大型で横扉式、内部に張巡らされたヒーター線はコイル(スパイラル)方式で、横溝が彫ってあります。コイルは全部で6本ありましたが、そのうち1本が断絶していることが判明し、その1本を新しいものに交換しました。窯を設置して14年も経っているので、家庭用電化製品であれば寿命になってもおかしくはなく、業者もよく今まで保っていたなぁと言っていました。残りのヒーター線も追々交換していかなければならないと肝に銘じました。長く保っていた要因は、私の陶彫には釉薬を使用しないことが大きく影響していると考えられます。釉掛けをすると窯内に釉薬が飛び散って、それが原因でヒーター線を痛めることがあるそうです。来週早々には試運転を兼ねた本焼きをしていこうと思っています。陶の表現にとって最終工程の焼成は最重要なもので、焼成を成功させるために土練りや成形に気を使っていると言っても過言ではありません。私の作品の焼成は極めて単純なもので、電気によって均一に焼ければそれでいいのです。陶芸家によっては焼成によって釉薬が微妙に滴ったり、また窯変が起ったりして、唯一無二の作品が出来るわけですが、私は彫刻を作っている意識があるので、形態そのものを重視していて、焼成による変化は求めていません。それでも錆鉄色に変わる陶彫を見ていると土肌が愛おしく感じられるのです。