2024.08.16
昨日、若いスタッフを連れて、東京の港区白金台にある東京都庭園美術館で開催されている「YUMEJI展」に行ってきました。YUMEJIとは竹久夢二のことで、副題に「大正浪漫と新しい世界」とあり、私は夢二ワールドの中で、とりわけ注目したのはアール・ヌーヴォーに関する作品でした。東京都庭園美術館そのものがアール・ヌーヴォー様式で、そこに呼応するように展示されていた夢二の豊かなデザインに魅了されました。図録によると「このアール・ヌーボー草創期に、美術大学に進まず、浪漫主義を牽引する藤島武二に私淑しながら独学で『画人』の道を進む夢二にとって、その台頭を伝える雑誌や出版物は彼の芸術観形成の糧となった。~略~夢二が1914(大正3)年に開店した『港屋絵草紙店』は、版画などとともに夢二デザインによる千代紙、半襟、浴衣、帯などの生活用品を手広く扱い、大衆の日常生活の美的向上を目指すとともに、文化サロンとして若き作家たちに大きな影響を与える場所でもあった。夢二が手がけた魅力的な商品群は、その感性が発する繊細さや詩的な要素に彩られており、印刷技術の発達やマス・メディアの拡大という時代を背景としながら、当時の大衆の心を熱狂させ、日本におけるアール・ヌーボーの結実と体現の舞台となったのである。」(池田隆代著)とありました。また当時流行となった美人画に関して、夢二ワールドが遺憾なく発揮されていて、展示作品にモダンな雰囲気を感じました。「ちょうど、女性たちが和装から洋装へと移行していく時代。夢二は流行を敏感に察知し、制作にあたり、海外のさまざまなファッション雑誌などを参考にした。~略~表紙には、アール・デコを意識したモダンな風俗画や、幾何学的な形態を取り入れた斬新なデザインのものが多い。また、色彩感覚に優れていた夢二ならではの大胆な色づかいが今も私たちを驚嘆させるのである。」(鶴三慧著)副題に大正浪漫が入っていても、私は古さを失わない夢二ワールドを本展で堪能しました。しかも東京都庭園美術館内装の演出が夢二ワールドを出色のものにしていました。