Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

新聞記事より「下の方こそいとおしい」
今日の朝日新聞「折々のことば」に掲載された記事より、その内容を取り上げます。「老後は下の方こそいとおしい。 阿刀田高」この言葉からは何を意味しているのか分からず、著者の鷲田精一氏のコメントを読むまでは謎が解けませんでした。コメントを読んで、思わず笑えたのは私一人ではないでしょう。解答のコメントを載せます。「と聞いて下方を見ないこと。昔の小学校の『通信簿』のことだ。上に並ぶのは国語、算数、理科、社会、下の方に図工、音楽、体育。親は上方の成績ばかり気にかけた。が、老いてから思うのは、絵が描けたら、ピアノが弾けたら、山を歩けたらといったことばかり。自分はどれもだめだと作家は言う。『年老いて人生への悔いがないでもない』と。『90歳、男のひとり暮らし』から。」通信簿の教科の並んでいる順番はどう決められたのだろう、教職に長く居ながらそんなことを気にしたことがなかった自分は、改めて上方に位置する教科と下方に位置する教科の重要性を思わざるを得ませんでした。中学校では上方の4教科に外国語を加えて主要5教科という呼び方をしている時期がありました。今でもそう呼称する昭和生まれのベテラン教師がいるかもしれません。主要5教科は社会に出てどんなふうに役立つのだろう、これは学習の基礎基本だと私は疑いもなく生徒に言っていました。最低必要限の知識は5教科によって補えるのは事実です。日本人の識字率が高いのはこの成果を裏付けるものです。下方の教科は主要ではないという位置付けですが、実技教科と呼ばれるもので、情操教育の一端を担うものです。感情を表現したり、さまざまな体験型の授業もこれに含まれますが、老後になると、寧ろこうした教科で培った思いが自分の生きがいになるケースもあると考えられます。私の場合は図工美術です。私は自分の生涯で何度も美術があって良かったと思っていて、下方の教科に位置するものが、自分の心を支えているのです。