2015.03.27
東京国立博物館の「表慶館」で開催されている「インドの仏」展には、さまざまな様式を持つ仏像や神像が展示されています。「菩薩頭部」と題された漆喰の部分像は、まさに自分が学生時代に繰り返し描いた石膏デッサンを彷彿とさせるものがありました。つまりギリシャ・ローマ彫刻を模した石膏像に似ていて、これが菩薩なのかと眼を疑いたくなったのです。髪を結い上げ、顔の彫りは深く、長く弧を引く眉や高く通った鼻筋はまさに西欧人の容貌そのものです。それに続く「ハーリティーとバーンチカ」と題された家族像は、ギリシャ・ローマ文化の影響を受けている人体表現に注目してしまいました。ハーリティーとは鬼子母神のことを言います。バーンチカはその妻で、中央に子どもがいます。発掘されたパキスタンという国名がなかったら、誰もが西欧の作品と思うでしょう。ハーリティーの腹筋を見せた肉体美や、キトンと呼ばれる衣裳はギリシャ・ローマ由来の表現であったようです。ただ、プロポーションはギリシャ彫刻に比べれば、かなり無骨です。そこに自分は面白みを感じています。