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六本木の「ルーブル美術館展」
先日、東京六本木にある国立新美術館で開催中の「ルーブル美術館展」に行って来ました。夜間開館の時間帯だったので混雑はなく、じっくり落ち着いて鑑賞することが出来ました。「ルーブル美術館展」全体のテーマは風俗画で、エジプトの時代から19世紀のロココ時代に至るまで、民衆の風習や衣裳等が描かれた絵画が並んでいました。何と言っても人気だったのはヨハネス・フェルメール作「天文学者」でしたが、その他にも惹かれる作品が数々ありました。自分は16世紀のフランドル絵画のひとつであるクエンティン・マセイス作「両替商とその妻」に見入ってしまいました。夫が硬貨を計量している傍らで、妻が聖母子の描かれた書籍を開いている場面です。まさに現実的な金銭と精神的な神の存在を対等に隣り合わせた構図は、当時の時代背景を矛盾と軋轢を孕んだ社会として捉えていて興味が尽きません。今回の展覧会のテーマは社会的な謎解きもあって、見方を変えれば面白い企画であろうと思います。同じようにマリヌス・ファン・レイメルスウァーレ作「徴税吏たち」の2人の男性のきわどい表情にも、いろいろな意味が見て取れます。キワモノ的面白さはジャン・シメオン・シャルダンやアレクサンドル=ガブリエル・ドゥカンの2点の「猿の画家」で、モデルを模写するだけなら猿でも出来るというアイロニーを込めて描いています。肩肘張らずに楽しめる作品が並んだ「ルーブル美術館展」だったと思います。