2024.10.11
昨日、国立新美術館で開催されていた自由美術展を見た後、丸の内の出光美術館で開催している「物、ものを呼ぶ」展にも足を延ばしました。出光美術館は帝劇ビルの建替えに伴い、一時閉館することが決まっていて、この機会に所蔵作品を展示している「物、ものを呼ぶ」展に行こうと決めていました。ポスターになっている若冲の「鳥獣花木図屏風」や本作とともにジョー・プライス氏が持っていた酒井抱一の「十二カ月花鳥図」が見られるとあって、平日にも関わらずかなり混んでいる状況でした。本展は優れた日本美術の絵画や書が目白押しで、巨匠たちが運筆を巧みに操っていた痕跡、とりわけ墨彩の垂らし込みなどで描いた対象に空間を感じ、何度も私の足が止まりました。平安時代の巻物としては「伴大納言絵巻」の展示がありました。本作は伴大納言こと伴義男による応天門放火事件の顛末を描いていて、慌てる民衆や火事を見守る貴族たちが表情豊かに表現されています。これは美術の教科書や資料集に掲載されている有名な作品ですが、私は炎の描き方に注目していて、パニック漫画のはしりではないかと勝手に解釈しています。それを教職にあった頃に授業で生徒に伝えると、「伴大納言絵巻」はよく覚えてくれました。さらに出口付近で人だかりがしていた作品がありました。江戸時代に描かれた「江戸名所図屏風」で、江戸(東京)の名所旧跡が細かく描かれ、しかも屏風の下には場所が記してありました。よくぞ描いたと思われる2000人以上の民衆が画面を埋め尽くす様子は、当時の都市の賑わいを表していて圧巻でした。出光美術館は書のコレクションも有名で、数々の名品が展示されていました。民間の美術館でこれだけのコレクションがあるのは素晴らしいと感じました。美術館がリニューアルを終えたら、また来たいと思っています。