2025.07.27
日曜日になりました。昨日まで私は東京銀座で個展を開催し、自分の創作に一区切りをつけたところで、現在取り組んでいる新たな作品に今日から眼を向けていこうとしています。昨日までの個展で、私は壁に掛けた作品が思っていたより好評だったことがあって、次のステップとしては、この「痕跡A」と「痕跡B」を発展させてみようという気持ちになっています。これは完全な平面作品とは言えず、油絵の具で塗装した下地に炭化した杉板をコラージュしたもので、画面と板材の間に隙間を作っています。これに照明があたると微妙な影が画面に落ち、油絵の具で描いた掠れた抽象画面との相互空間が面白い効果を齎すのです。もちろん計算して効果を狙ったのですが、これをさらに発展させる余地が充分あると判断しました。新作では従来の陶彫作品の他に、こうしたレリーフの作品を重点的にやっていこうと考えています。さらに重層的な空間を得ることができれば、この壁掛けの作品のシリーズ化も可能です。さて、今日は個展開催の疲れもあって、工房での制作は休止し、横浜の中心地で開催しているグループ展を見てきました。昨日個展搬出を手伝ってくれた美大生2人を連れて行きました。出品していたのは私の元同僚で、美大生たちが中学校時代に美術を教わっていた恩師に当たる人でした。モダンアート展の会員でもある彼の世界は、毎年のように簡潔化していて、余分なものを削ぎ落し、それでも主張するところが強くなって、深化を続けているように思います。とくにデカルコマニーで表現された内臓をイメージする部分と余白の空間が鬩ぎ合い、快い緊張感を生み出しているのです。今後、平面作品に本腰を入れていこうとする私の作品にとっても、彼の発展や深化は参考になるし、平面上の余白とは何かを考える上で、私の次なる課題になっています。