2007.07.17
ウィーン幻想派画家やフンデルトワッサーほど国際的な名声を得ていないので、カール・コーラップを日本で知ることはありませんでした。20数年前にウィーンにいた頃、コーラップのタブローや版画を多くの画廊が扱っていて、ウィーン市民の間でコーラップがそれなりの評価を受けていることを知りました。コーラップの絵画は旧知のウィーン幻想派よりも馴染みやすく感じました。一言で言えば、不思議なグッズで成り立っている静物画です。描かれたものがオモチャのように散在し、ひとつひとつに意味があるようにも思えます。前時代的な金属製のものであったり、人の顔型の抽象化であったり、中には意味不明のグッズもあって謎解きのような世界です。馴染みやすかったのは、今思えば自分の作品に近いと感じたからかもしれません。自分も陶彫や木彫で造形要素を寄せ集めた世界を作っています。コーラップも広義では幻想派と言えると思いますが、独特の世界をもった画家であることには違いありません。