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IW若林奮ノート
自分がまだ大学の彫刻科に籍を置いていた頃、デザイン科共通彫塑研究室に若林奮先生がいました。直接教わることはなかったのですが、個展等があれば足を運び、また文章が記載されていれば必ず目を通していました。作品や考え方を理解したい彫刻家の一人でした。若林先生は自然現象全てにわたって独特な捉え方をされていて、作品として表れるモノも何かを提案し、また語りかけてくるような要素を持っていました。表題の本は2年前に読んだ本で、今回再び手に取ったのは横須賀美術館にある「Valleys」に触発されてのことです。「IW若林奮ノート」は前半部分がラスコーとその周辺の洞窟壁画に関するもので、実際に見てこられた様子を独特な切り口で伝えています。後半部分は様々な現象や風景に関するエッセイで、その関わり方を思弁しています。創作する作品にはそうしたモノに対する考え方が大きく反映していることを若林先生は示してくれているのだと自分は認識しています。