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居候「トラ吉」の生活
亡父の残してくれた植木畑に捨てられていた野良猫「トラ吉」が、我が家に居候して三週間が経ちました。日に日に成長して、今ではすっかり我が家の住民になっています。ケージから出すとリビングを走り回り、家内や私の膝に乗り移り、やんちゃぶりを発揮しています。表情が面白くて、よく見つめ合ってしまいます。なるほど漱石が著した「我輩は猫である」のイメージ通り、思慮深い表情をする時があって、本当はこちらの心理を読み取って行動しているのではないかと思うことがあります。ワザと可愛い仕草をしたり、鳴き声で人を挑発したりしているのではないかと思うことさえあります。忍び足になってみたり、じゃれついてみたり、妙に人間臭いところがあって愉快です。画家藤田嗣治がよく猫を描いていますが、ポーズをとった「トラ吉」を見ていると、藤田流に描いてみたくなります。師匠の彫刻家池田宗弘はガリガリにやせ細った猫を真鍮直付けで作っています。これも「トラ吉」を見ていると納得できます。猫の動作が彫刻的で、何かドラマを秘めているように思えます。