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週末制作 陶土に追われる
陶土に追われるとはどういうことか、毎週末の制作で実感していて、今日も例外ではなかったので今日はこの話題にしました。陶彫はもちろん陶芸の場合も同じですが、土の乾燥による制作工程の順序があります。陶土が柔らかい時は菊練りを行い、タタラにしたり紐状にして成形を行います。大きな成形の場合は多少陶土が硬くなっていた方が、立体に立ち上げた時に歪まないですみます。さらに乾燥させて成形がしっかりした時に、表面に彫り込み加飾を行います。自分の場合はさらに乾燥が進んだ時に、表面の修整を行い、幾何形体の鋭利な面を出します。さらに乾燥が進むと、ヤスリをかけて表面を磨きます。ヤスリ掛けで出た陶土の粉は、実はドベを作る際に利用しているのです。焼成まで時間をかけて表面処理を行うため、陶土の乾燥具合を見て、次の工程に進むかどうかの判断をします。つまり一旦土錬機にかけて陶土を作り、成形を始めてしまうと、時間との勝負になる訳です。自分の気分で制作を止めたりすることが出来ません。どんなに疲れていても陶土の乾燥具合で制作をやらなくてはならない時があるのです。公務員との二足の草鞋生活の中で、こうした自分を追い込まざるを得ない状況はメリットでもあるし、同時にデメリットでもあります。陶土に追われるとは、自分の事情ではなく、素材の事情により制作が進んでいくことを言っています。今日は朝7時から夕方5時まで、陶土に追われながら過ごしました。一日の集中力が保てなくなるまでやりました。また次回、頑張りたいと思います。