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ミットライトペシミズムについて
ミットライト(共苦・同苦)ペシミズム(厭世主義)は、現在読んでいる「意志と表象としての世界」(A・ショーペンハウワー著 西尾幹二訳 中央公論社)の根幹をなす思想です。簡単に言えば、世の中も人生も苦悩に満ちている、であるから幸福を求めるということは、欠乏を認識してそれを満たす方向へ行くことだとショーペンハウワーは言っているのです。一理あると思います。そこで本書を分かりやすく解説しているものがないかとネットで調べたら「松岡正剛の千夜千冊」を見つけました。松岡氏曰く「われわれは自分の苦しみというものを、自分だけの苦しみだと感じていることが多い。けれども、多くの苦しみ、たとえば失意・病気・貧困・過小評価・失敗・混迷・災害などは、その体験の相対的な差こそあれ、結局は自分以外の誰にとっても苦しみなのである。まして、自分の苦しみが相手の苦しみよりも強いとか深いということを、相手に押し付けることはできない。相手も同じことを言うに決まっている。このとき、われわれは『共苦』の中にいることになる。誰だって『苦しみがない』などとは言えないはずなのだ。~略~世界は『共苦』を前提にできていて、そこから意志があらわれてくるのではないか。その意思の行方には放っておけば必ず欲望が待っていて、富裕や長寿や支配に向かおうとする。~略~ブッダが『一切皆苦』を出発点にしたことと、とてもよく似ている。」解説の抜粋をしましたが、内容がよく分かりました。今までいきなり難解な書籍を読んできて、解説があった方がいいと感じることもありました。ミットライトペシミズムは本書を総括するテーマで、内容全体の概観を掴むために分かりやすい解説が必要でした。