Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「イメージの力」展
私は仮面が大好きで、アフリカ、アジア、ヨーロッパや日本の仮面を集めています。その中でもとりわけアフリカの仮面に惹かれています。国ごと部族ごとに異なる造形や装飾は朴訥な生命力に溢れています。自分が創作の迷路に入り込んだ時に、仮面の表情を見て、ふと我に返ることがあります。これは造形が伝えるパワーが仮面に宿っていて、自分の技巧的な迷いが払拭されるのです。こうした体験は私に造形へ立ち向かわせる意欲を授けてくれました。アフリカを初めとする民族芸術は、鑑賞する対象として作られたモノがある一方で、呪術の対象として作られたモノもあると思います。そうしたモノを全てアートとして捉えたのが、巨匠ピカソやモディリアーニだったわけですが、自分も同じように生命賛歌を感じ取っています。先日訪れた東京六本木の国立新美術館で開催している「イメージの力」展は、自分に強い印象を与えました。名も無き芸術家たちが作った生命の根源を問う作品群に、自分の心が震えました。展示作品は大阪にある国立民族博物館の所蔵するもので、日本にこんなにも豊かな民族芸術のコレクションがあることに驚きました。