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週末 陶彫らしい作業 その2
昨日に続いて朝から工房で陶彫らしい作業に明け暮れました。今日の作業は乾燥した大きめの陶彫部品7点を仕上げ、化粧掛けを施す作業でした。これは創作的な行為とは言えず退屈な工程ですが、窯入れ前に必ず行うものです。陶彫は柔らかい陶土を成形するので、指跡が残ったり、きちんとした矩形の彫り込みが出来なかったり、幾何的な形態を作ろうとすると、なかなか困難なところがあります。そこで生乾きの時に、いびつになったカタチをきちんとした矩形に修整します。さらに乾燥してからヤスリや鉄ベラを使って彫り込み加飾した部分をもう一度修整するのです。それから2種類の化粧を施して、窯に入れることになります。炎の神に委ねる前の儀式のようなものですが、焼成した後の効果がまるで異なってしまいます。あたかも古びた金属のような雰囲気が漂うのは、こうした手間が関係しているのです。作品を観賞された方から、これは錆鉄ですかと聞かれることがあります。いいえ、これは陶ですと答えますが、そんな素材の錯覚も楽しいと感じています。今日はそんな作業で7時間を費やしました。今週も2回の窯入れを行います。来週から再び成形を開始します。