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出張ついでに「五姓田義松展」
テレビ番組で紹介され、その絵画技量の高さに驚かされた五姓田義松。彼が生きた時代は安政から明治にかかる西洋文明の流入期で、いち早く西洋絵画を学ぶことになった彼の生い立ちや見事に開花させた才能に、今まで埋もれていた天才の足跡を見取り、その絵画力に私は驚嘆を隠せませんでした。日本で最初の油絵を描いた人と言えば鮭の絵で有名な高橋由一ですが、同時代に高橋より11歳若い五姓田がいて、2人とも橫浜居留地にいた画家C・ワーグマンに師事しています。早熟だった五姓田は忽ち頭角を現し、明治政府や皇室の肖像画等を描いています。そんな「五姓田義松展」が画家本人の馴染みのあった橫浜で開催されているので見てきました。場所は神奈川県立歴史博物館で中区関内にあります。ちょうど仕事の出張が関内であったので、昼休みを利用して行きました。マスコミの影響のせいか、多くの鑑賞者が訪れていて館内は混雑していました。図録には「大人の知的遊戯としての絵画を作り上げることもできた義松。画材を自製することもできた義松。現在とは異なり、情報や物質が乏しかった幕末明治の日本で、高度な技術力の獲得は『奇跡』と形容しても過言ではない。その存在はまるで生まれてきた時代と場所を間違えたかのように、まさに西洋人のプロフェッショナルな画家と同じといえる。」(角田拓朗著)とありました。個々の作品の感想については機会を改めたいと思いますが、途轍もない逸材が発見されたことを心底喜びたいと思います。