Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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いい加減になった夏読書
若い頃から自分は夏になると集中して読書をすると決めていました。夏が近づくと書籍を選び、この夏はこんな傾向の本を読もうとテーマさえ設けていたのに、いつの間にか夏の読書は衰退の一途を辿っています。これはまずいなぁと思いつつ、今年の夏も一冊の読破もできずに過ぎてしまうようです。自分にとって夏の読書は義務教育と高校教育の賜で、読書感想文なるものが常に私の頭にありました。小学生の時は仕方なく始めた読書が、中学校では楽しくなり、本の虫になっていました。ただし、当時は友人の影響で推理小説一辺倒だったので、感想文には困っていました。ちょうどその頃、カフカの「変身」を読んで、教員から読書の真意を疑われたこともありました。高校は文学や随想に走り、多少の気取りがあって詩に憧れてみたりしました。もうその頃は学校の宿題はなく、自分でノートを作って適当な感想や恥ずかしい詩を書き溜めていました。工房に出入りしている大学院生が、あの頃の自分と同じようにノートにコトバを綴っているのを知って、妙に彼女と共感してしまいました。ちらっと見せてもらった彼女のノートは、バリエーションに富んでいて、紡ぎだすコトバの巧みさに驚きました。彼女は若くして詩の能力に溢れていました。私の稚拙な書き溜めは、今ではホームページのNOTE(ブログ)が代わりをしてくれています。しかしながら夏読書はコンセプトが揺るぎました。多忙の犠牲になるのが読書ではいけないと思っています。そろそろ難解な大著に挑みたいと思っているこの頃ですが、まず読書習慣をもう一度見直してから始めなければならないと思っています。