Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 制作に精魂尽きた一日
日曜日は、土曜日とは違い、朝から夕方まで制作一辺倒で過ごせるほど体力的にも精神的にも余裕があるのです。今日は工房の窓いっぱいに広がる梅の枝に、花が咲いた時の驚きと喜びを今か今かと待ちわびながら一日を過ごしました。例年より梅の開花が遅いですねぇと工房に来ていた若いスタッフが呟いていました。彼女は来週末に搬入する大きな作品を作っていて、梅の開花と作品の完成を競い合っていました。梅はもうすぐ開花を迎えそうです。私は昨日準備したタタラを使って大きな陶彫成形を作っていました。毎週日曜日はがっつり陶土と格闘していて、タタラを紐作りで補ったり、表面を板で叩いたりして、求めるフォルムを目指します。午前中は寒さで手が悴むので、ストーブの傍で休憩しながらやっていますが、そのうち手のことは意識しなくなってしまい、欲求の赴くまま作業を続けてしまうのです。昼食の後、やや作業が緩む時間帯があるのですが、今日はそれもなくずっと緊張したまま作業を続けてしまいました。喉が渇いて、ストーブの傍に置いてあるペットボトルを取りに行ったら、若いスタッフも真剣な面持ちで自作に向き合っていました。声をかけて、2人して小休憩を取りました。私はこの年齢になり、創作に迷いはなくなりました。スタッフはまだ20代の女性なので、創作や生活のことにも迷いが生じているはずです。20数年生きてきて、今が一番多忙だと言っている彼女の顔には充実感も漲っています。創作活動が出来る場所が確保されていることは、彼女にとってある意味では幸運なことかもしれません。夕方、私は窯入れを行いました。明日と明後日は工房の電気が使えないよと彼女に断りつつ、工房を後にしました。自宅に帰ったら、私は精魂尽き果てた状態になり、ソファに倒れこんでしまいました。