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note

新聞の小欄より
今朝、職場に届いていた朝日新聞の小欄が目に留まりました。生物学者の福岡伸一氏の寄稿によるもので、確か以前にも福岡氏の文章をNOTE(ブログ)に取り上げた記憶があります。内容は思春期の子どもたちのことについて書かれたものでした。文中から引用いたします。「大人はたいへんだ。生計を立て、パートナーを探し、敵を警戒し、縄張りを守らねばならない。対して子どもにだけ許されていることは?遊びである。闘争よりもゲーム、攻撃よりも友好、防御よりも探検、警戒よりも好奇心、現実より空想。それが子どもの特権である。」人間は成熟期が他の生物よりも長いのは、遊びにより脳を鍛え、知恵をつけるためというのが福岡氏の仮説です。これは私も同感です。子どもから大人へ変わっていく過程には、個人差があって、なかなか現実を捉えられない子が、夢のような将来を描いている場合があります。アニメーターになりたい、声優になりたい、それはそれで結構なことですが、厳しい現実に到底立ち向かえそうにない彼らを見ていると、芸術を追いかけてきた私ですら心配になります。また、家庭環境によって満足に子ども時代を送れなかった子どももいます。彼らを見ていると、さらに心配の種が尽きません。年齢とともにきちんと大人になっていく子どもは幸福です。多少歪んでいても、子どもらしい時代を過ごしていれば、思春期に軌道修正できると思うのです。児童文学者石井桃子のこんなコトバで小欄が締めくくられていました。「子どもたちよ 子ども時代をしっかりと たのしんでください。おとなになってから 老人になってから あなたを支えてくれるのは 子ども時代の『あなた』です」