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島根県へ① 足立美術館雑感
島根県へ行ってみようと思った理由の1つが、足立美術館の存在でした。美術とはあまり縁のない知人たちが、美術館の庭園の豪華さに驚いた話をしてくれるので、まとまった休暇を取って一度足立美術館に足を運ぼうと思ったのでした。横浜からすれば遠方にある美術館で、過去複数回出かけたことがある香川県イサム・ノグチ庭園美術館に匹敵する場所だと感じました。朝10時20分に家内と羽田空港を発ち、11時40分に出雲空港に到着しました。レンタカーを2日間借り、まずは安来市にある足立美術館へ向いました。都心に比べると車が少なく、高速道路沿いの自然も豊かで快適なドライブでした。目指す足立美術館は広大な田畑の中に建っていました。「庭園もまた一幅の絵画である」と実業家であった美術館創設者が申す通り、その5万坪の巨大日本庭園は、鑑賞者を圧倒するのに充分な迫力を持っていました。枯山水、白砂青松、苔庭や池に回遊する鯉など、あらゆる日本庭園の美が結集していました。借景に使われる山々や遠方の滝なども演出されたものではないかと思いました。また木々一つひとつの刈り込みや敷き詰められた白砂の美しさを見ると、どのくらいの頻度で手入れをしているのか、職人は何人いるのか、とりわけ松の手入れは機械が使えず、職人の手作業にかかっているため、その手間が半端ないことを私はよく知っています。亡父が造園業に携わっていたので、ついこんなことを考えてしまう自分がいました。美術館内のガラス張りの喫茶室「大観」で食事をとって、横山大観を初めとする日本画のコレクションを見ました。秀作が多いのに驚きました。また河井寛次郎や北大路魯山人のコレクションも充実していました。鑑賞者の中には外国人観光客が多くいるのも頷けました。米誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で15年連続でランキング1位、仏の旅行ガイドで三ツ星になるなど、足立美術館は海外での評価が高く、庭園の行き届いた管理維持力が賞賛されているようです。3時間近く美術館にいて、隣接する安来節演芸館に立ち寄って、宿泊地である出雲市に戻って来ました。夕食には出雲名物の「割子そば」を食べました。蕎麦好きの私は出雲独特な黒ずんだ麺に風味を感じました。