Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 16個目の陶彫制作
今月は4回の週末がやってくるので、それに応じて4個の陶彫制作を目標にしています。昨日はタタラを準備した後、東京の美術館に出かけてしまったので、今日は朝から陶彫部品の成形と彫り込み加飾をやっていました。新作は50個近い陶彫部品で構成する集合彫刻ですが、現在焼成が終わっている部品が11個、成形と彫り込み加飾が終わって乾燥を待っている部品が4個あります。今日は5個目の作品を作りました。トータルで16個目になります。完成まで4分の1強になったところです。朝9時から夕方4時までという決めた時間帯に、成形と彫り込み加飾を確実に行うという自分のスタイルを今日も保っています。全体を構成するまでは、こうした職人的な作業で制作工程を進めていくのです。この順序よくやっていく作業は、気持ちとしては楽な仕事です。部分にしか関わらないのは近視眼的で、あれこれ見通すことがないため健康的な仕事と言えます。全体を考えるようになると、作品の良し悪しが見通せるようになって精神的な負担を強います。これは芸術家としての資質が左右する苦しい仕事になるのです。それまでは部品作りが続くので、焦りも休みもせず坦々と制作をするだけです。ただし、この労働の蓄積が最終的に作品に効果を齎せます。手間をかけた分だけ説得力のある表現になるのです。作業中に手許しか眼に入らなくなり、陶土との対話が始まる極上の瞬間も、こうした手間を惜しまない姿勢からくるものだと思っています。これは心理学で言うところのフロー状態のことを言うのではないかと思っています。スポーツで言えばゾーンです。少し前までは制作中にフロー状態はよくやってきて長く続いていましたが、今は滅多にやってきません。また長く続きません。加齢のせいなのでしょうか。しかも私は彫刻制作しかフロー状態を体験したことがありません。私にとって真に集中できるのは彫刻だけなのかなぁと思っています。少しでも長く彫刻制作に関わっていたい思いで、今日は昼ごろに久しぶりに近隣のスポーツ施設に水中歩行に行ってきました。先日痛めた右膝が万全ではないため水泳はせず、俄かに汗をかく程度の歩行にしました。夕方には16個目の成形と彫り込み加飾が終わりました。