Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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連休⑧ 砂マチエール作業開始
大型連休も8日目になり、残すところ後3日になりました。今日は工房のロフト拡張工事が入るはずだったのですが、業者の都合で明日から工事が入ることになりました。連休が終わってウィークディの勤務が始まっても工事は続けるそうで、工房のスペアキーを鉄工業者に貸すことにしました。今日は朝9時から夕方4時まで、通常の週末と同じ時間帯での制作になりました。先日来、途中で終わった彫り込み加飾を早々に完成させ、今日のメイン作業は「発掘~曲景~」のテーブルに砂マチエールを施す工程に入りました。砂マチエールは、デビュー作「発掘~鳥瞰~」の時から私が好んで使っている技法で、かれこれ20年以上もやっています。最初は油絵の具に砂を混ぜて使っていましたが、絵の具が大量に必要になるため、これを何とかしたいと考えたのが現在の方法です。絵の具を塗る前に、硬化剤で支持体に砂を貼り付けていきます。砂は出来るだけ薄く塗り込んでいきますが、左官業者と違って均一に塗ることはしません。そこは絵画作品のように厚みに変化を持たせます。塗る面積が広い場合は工房スタッフを呼びますが、今回は小さなテーブルなので私一人で充分です。彫り込んだ木彫の穴に砂を貼り付けていくのは、ちょっとした技術が要りますが、慣れてくると苦もなくやれる作業です。砂マチエールの作業は今日と明日で終えられるかなぁと思っています。砂が固まると、次に油絵の具を塗っていきますが、塗るというより染み込ませるといった方が相応しい按配です。油絵の具は溶き油を多めにして砂に馴染ませていきます。さらにドリッピングをやったり、霧状に吹きかけたりして、陶彫の表面との調和を図ります。陶彫と同じ素材感を出そうとすると面白味に欠けるので、やや対峙した色彩にしてみたり、また同系色を入れてみたりして実験を繰り返します。これはまさに彫刻ではなく絵画です。今日と明日は絵画を制作している意識で過ごそうと思います。明日も継続です。