Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶彫制作に拍車
今日も朝から夕方まで工房に篭っていました。今日はいつものように2人の美大受験生が工房に来ていて、それぞれの課題をやっていました。私は昨日、新作の全体構成を見たことにより、先の見通しを持って陶彫制作に拍車をかけていました。今月も中旬を過ぎ、思っていたより制作工程が進んでおらず、とにかく陶彫部品がまだまだ足りないことが、全体構成を見て露見してしまいました。来月のどこかで予定している図録用の撮影日までは緊張が解けないだろうと思っていて、それはそれで日々の生活に張りをもたせるのには良いことだと思っています。校長職にあった頃、退職後の生活をイメージしたことがありました。学校は日常的に危機管理が発生するので、退職までに現在進行形の課題を解決し、これ以上の問題が起こらないように祈願していました。退職したら、さぞホッとするだろうと思いつつ、肩から重責が降りた時に、自分は暫し思考が停止して動かなくなってしまうのではないかと危惧していましたが、いざ退職を迎えると、さにあらず忽ち創作活動に支配され、教育から芸術に課題が移り変わりました。勿論他者のことで右往左往する学校組織とは違い、自分のことだけを考えていれば済むので、気は楽になりましたが、創作の創作たる所以を考えていくようになり、私が元来やりたかったことに漸く腰が入ったのだと理解しました。陶彫という技法は自分の思い通りにならないところがあって、焼成を成功するために行う処理と、自分の世界観を推し進めるために行う造形が、時に対峙することがあり、またそこが面白いと感じています。陶彫は制作工程で乾燥に費やす時間があるので、焦っても進まないのはこうした焼成を成功させるための処理なのです。教職との二足の草鞋生活の時は、暫く陶彫を放置する時間があり、それが制作工程上で便利だったのですが、毎日制作している現在としては、乾燥をじっくり待っていられないというのが本音です。陶彫成形と彫り込み加飾をどんどんやって、多くの作品を乾燥台に置いていこうと今は考えているところで、今月は陶彫制作に拍車をかけていきます。