Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「発掘~盤景~」最後の窯入れ
今月30日(日)に迫った図録用の写真撮影日。そこから逆算すると最後の陶彫部品の焼成をやらないと撮影に間に合わなくなります。残った3点の陶彫部品の乾燥具合を確かめて、昨晩窯入れを行いました。計算上ではこれで全ての陶彫部品が整います。今年は3月末で校長職を退職し、4月と5月は毎日工房で制作していたのですが、完成がギリギリになってしまいました。決して余裕があったわけではないと言うのが実感で、勤めていた頃の予想とは大分異なっていました。3月までは公務員との二足の草鞋生活をやっていたので、その後の2ヶ月間が自由になったところで大きな変化はないのかもしれません。今後はもっと時間が生まれるだろうという予想は立ちますが、果たしていかがなものでしょうか。私の彫刻作品の最大の特徴は陶彫にあります。陶彫は最終的な制作工程に焼成があり、そのために土練から成形に至るまで焼成の成功を祈願して行うものだと言っても過言ではありません。窯の温度は1200度以上に設定しているため、窯入れから窯出しをするまでに3日間を要します。窯の容量もあり、それを計算して陶彫部品が全て揃うように計画するのですが、思い通りに進まない時もあります。本来ならギリギリで間に合うように設定することは危険な賭けと言わざるを得ません。一度失敗すればアウトになるからです。陶彫こそ余裕を見て作らなければならない素材ですが、私の場合は常に危険と隣り合わせです。これは決して楽しめるものではなく、心労が重なる愚かな行為ですが、なかなか改善できないのです。来年こそは余裕をもって完成させたいものです。今日は窯の電気を確保するため、照明等のブレーカーを落としていました。自然光の中で、少しでも明かりをとるために窓辺に作業台を移動して、円形土台の彩色と側面の塗装をやっていました。いつも聴いているラジオもなく、無音の中で只管作業をしていました。あと2日準備を頑張って、図録用撮影に間に合わせたいと思っています。