Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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21’図録用の撮影日
今年の7月に個展で発表する新作の図録を作ることになり、今日がその撮影日になりました。前から決めていた日程だったものの、作品を撮影できるまで仕上げていくのは大変で、この日のために奮闘してきたと言っても過言ではありません。言うなれば作品完成のゴールがこの撮影日だったのでした。ただ今回に関しては修整が厳密には終わっておらず、撮影には影響しない箇所の修整は撮影後にやっていく予定でいます。まず20点の円形を成す土台の裏側の処理がまだで、それぞれに防腐剤を塗っていく必要があります。個展の後も作品は工房に保存していくため、こうした処理は大切なのです。陶彫部品にも罅割れがあり、接着を兼ねてパテで埋めていく必要もあります。新しい印を彫り、番号をつけて作品の裏側に貼っていく作業もこれからです。ともあれこうした裏側の作業を残したまま、今日の撮影に臨みました。工房に来てくれたスタッフは、後輩の木彫家、デザイン専攻の美大生、最近工房に出入りしている3人の高校生で、家内と私を含め7人で作品の設置を行いました。そこに長年付き合いのあるカメラマン2人がいて、合計9人での撮影会になりました。午前11時から午後3時までの間、私にとって幸いだったのは天候で、時より陽射しのある午前中に、野外工房での設置を終えて撮影が出来たことです。というのは「構築~視座~」はテーブルに刳り貫いた文様が、陽差しを受けて面白い影を落とすこともあって、その狙いのために今日は天候を気にしていました。野外での撮影はうまくいったように思います。午後は工房の室内に作品を移動して撮影をしました。毎年のことで撮影会に慣れているとはいうものの、作品の形態が毎年異なるので、その度に新しい発見があります。今日も漸く完成した作品を見て、いろいろなことを考えました。欠点も見えました。それを補うために私は毎年新作を作り続けていると言っても過言ではありません。明日から修整や梱包に入りますが、さらに来年の新作のために第一歩を踏み出すことにもなるのです。手伝ってくれたスタッフに感謝をこめて一日を終えました。午後3時にはスタッフの解散になりましたが、美大生だけが居残って、月曜日に大学に提出する課題をやっていました。深夜11時頃になって課題に見通しがつき、自宅で休んでいた私に連絡がきました。彼女を家まで車で送っていき、長い一日に幕を引きました。夕方から夜にかけて時より強い雨が降っていて、撮影に影響しなかったことが救いでした。