Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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21’個展のオープニング
今日から東京銀座のギャラリーせいほうで私の個展が始まりました。個展は16回目になります。昨年の個展は新型コロナウイルス感染症の影響で鑑賞者が減ってしまったので、緊急事態宣言が東京に出ている今年も個展に来てくれる人がいるかどうか不安はありました。ところが初日の今日は思ったより来廊してくださった方々が多かったと思いました。例年なら今日は「海の日」で休日のはずですが、今週に東京オリンピック・パラリンピック開催があるため、「海の日」が移動して、今日は通常の日になったにも関わらず、いろいろな人がいらっしゃいました。改めて感謝申し上げたいと思います。個展開催で例年インパクトがあるのは昔の知り合いに出会えることです。まず教職時代の同僚だった人が亡くなって、奥様がいらっしゃいました。これに私は衝撃を受けました。彼はとても気心が知れた人で、学校が抱える大変な状況を一緒に乗り越えた仲間でした。例年の個展には息子さんを含めた一家3人で来ていただいていました。私の母の場合もそうでしたが、コロナ渦で葬儀等を知らせることが出来ず、今になって私は彼の病の重さを認識したのでした。奥様に返す言葉もありませんでした。その後に工房の近隣に住まわれている方々が現れた時に、漸く私の気持ちは落ち着きました。さらに毎年来ていただいている美術評論家の瀧悌三氏とも言葉を交わすことが出来ました。午後になって印象的だったのは税理士をやっている高校の同級生に数十年ぶりで会えたことでした。彼は昔の仲間とまだ連絡を取っているようで、懐かしい名前が次々に出てきて、忽ち私も過去に戻されてしまいました。あの時のあの情景が思い浮かんで、私の頭はグルグル回り始めました。意外にも10代の記憶が我ながら鮮明なことを思い知りました。きっと今日は人がいない個展初日だろうと思っていましたが、蓋を開けてみれば、こんなインパクトがある一日になるとは思いもよらず、悲しいことから嬉しいことまで過去が巡りに巡った一日になってしまいました。個展開催が繋ぐ縁も、いろいろな意味で良いのかもしれません。