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週末 若い世代と美術館散策
毎週工房にやってくる美大受験生3人のうち高校3年生になる子が美大の推薦入試に合格しました。今日はその子の合格祝いを兼ねて、高校生3人を連れて平塚にある美術館に行くことにしました。後の2人は高校2年生なので入試にはまだ時間があります。合格した子は染織科を専攻していて、大学に入っても課題をやりに工房に通ってくるのではないかと思っています。少し前まではテキスタイル・アーティストが工房に来ていましたが、彼女は自らの仕事場を他に見つけたらしく工房には来なくなりました。工房には常に新しい若い世代の子が出入りしていて、私はその子たちに背中を押されながら、創作に対する刺激をもらっています。毎年この時期になると私は工房に出入りしている子たちを連れて、美大の芸術祭や近隣の美術館等に出かけていますが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で、どこにも行けず残念な思いをしていました。今日は3人の高校生を連れて平塚市美術館で開催している「遠藤彰子展」に行って来ました。画家遠藤彰子氏は私より10歳くらい上の世代ですが、500号以上の大作を何点も描き続けている注目のアーティストです。以前、府中市美術館でも「遠藤彰子展」があり、その時も私は教え子の大学生を連れて見に行きました。同伴した大学生はその内容とスケールに圧倒されて言葉を失っていましたが、今回の3人の高校生も遠藤ワールドに惹きつけられていたようです。遠藤ワールドはその巨大さゆえに絵画世界そのものを体感する状態になり、鑑賞には身体ごとぶつかっていく感覚を持つことになります。若い世代には創作活動の飛びっきりの面白さを知らしめる格好なアーティストであり、その旺盛な意欲にワクワクさせられる貴重な人だと私は思っています。本展の図録代わりになる3冊の評論集があったので購入してきました。いずれも森山明子氏による著作で「《鐘》のすべて」、「《四季》のすべて」、「〈白い絵〉〈黒い絵〉」の3冊です。じっくり読み込んでみたいとは思いますが、まずはさっと目を通して、自分が感じた全体の印象とともに、後日改めて別稿を起こしてみたいと思います。