Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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図録持参&名残惜しい映画館へ…
昨晩、個展の図録1000部をカメラマンが自宅に届けてくれました。今日はそのうちの数十冊を持って、東京銀座のギャラリーせいほうに行って来ました。来週月曜日から個展があるので、ギャラリーの田中さんに今年の作品をひとまず図録を通して知っていただこうと思ったのでした。またギャラリーの方でキャプションを準備するので、これも図録を見れば一目瞭然なのです。前に案内状を届けたり、今回は図録を届けたりして、徐々に個展開催への気分を上げていくのが、私の恒例となった行事です。個展が始まれば、私はずっと会場にいることにしています。ちょうどギャラリーに勤務しているような按配になるので、いくら東京に出かけても美術展や映画館を回ることが出来ません。そこで昨日と今日は今のうちに見たい展覧会や映画に行っておこうと考えたのです。今日は今月29日で施設を閉鎖する岩波ホールに行きました。54年の長き歴史に幕を閉じることもあって、岩波ホールには多くの観客が来ていました。岩波ホールは日本のミニシアターの先駆け的存在で、私も学生の頃からお世話になりました。岩波ホールが最後に選んだ上映作品はイギリス映画「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」でした。これは作家のチャトウィンの伝記ではなく、彼が放浪するように歩いた記録を映像で辿った、野生と詩に満ちた映画です。とりわけオーストラリアのアボリジニの神話にある「ソングライン」という道程に、私は不思議な感慨を与えられました。詳しい感想は後日改めますが、岩波ホールの最後を飾る上映に相応しい作品だなぁと思いました。今日は名残惜しい映画館岩波ホールに改めて別れを告げて、その記憶をしっかり脳裏に刻みつけました。